◆「わかりやすい色彩基礎講座」 

                    

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(21) 配色のおもしろさ−1

 色と色を組み合わせて、いかに美しくみせるか、と言ったことは、なかなか難しいことです。究極なことを先に言ってしまえば、感受性の高い幼少時から、生活空間がすばらしい美の宝庫みたいなものに恵まれていたとしても、要はそれを見る人の受取感覚ですから、それがどれ程、その人の感性にかかわっていくかは人それぞれでしょう。

 もちろん、無意識に影響されていることは事実ですが、しかし、どのような環境の下であっても、とりあえずは、いろいろと配色展開をしてみるのが一番でしょう。もちろん、後から考えると、とんでもないことをしたと思うかもしれませんが、始めから決めてかからず、いろいろと冒険するのが一番です。

 そして、配色には、どの色彩を用いるか、アイテムは大きな問題です。空間の中に、それも、商業施設に使うのか、インテリアに使うのか、あるいはファッション関係で用いるのか、料理の際に使うのか、いろいろあるでしょうが、それらにおいて配色の方法は異なるでしょう。

 かといって、雑誌を広げても、それほど変わりばえしないもの、特に女性ファッションに関する雑誌には、ベージュ、黒、白といったオーソドックスなアイテムの色をもつことで、着まわしがよくなると掲載されているように、それほど目新しい配色が登場することは、案外あるようでいてないものです。
 しかし、まずは基本的なものから、先人の研究者達が考えた配色方法などを見ていこうと思います。
 

(22) 配色のおもしろさ−2

 同一、あるいは、かなり似通った色相について、明度の差がともなう色の組み合わせは、よく言われる同系色の配色というもので、馴染みのある方も多いことかと思われます。

 つまり、色相(色あいのこと)が同じものを組み合わせると、明度に差をつけることで、濃淡の程度がそこに生まれ、ほどよいリズム感をつくることもできます。
  明度の高低をもったいくつかの色を同時に見ることは、淡い、濃いといった感覚を受けとめることになり、それは、毎日の光の照り具合、光の強さの移り変わりとも関係します。すなわち、昼間の強い光から夕方の薄光へと体感していることが、この濃淡配色を日常リズムの中の一環としてとらえているとも言えるかもしれません。

 ですから、自分にとって、その時、心地よい濃淡の差を同じような色相どうしで組み合わせてみる同系色の配色は、失敗もなく、見る側も、自然な感覚で受けとめているでしょう。
 具体的な配色例としては、紺と水色、茶色とオレンジ、ボルドーカラーと淡いピンク、といったものも、その中の一例として上げられます。

(23) 配色のおもしろさ−3

 今回は、トーンの組み合わせから配色を考えてみましょう。夏の終わりになると、ウインドーディスプレイはさっそく秋色に模様替えをします。その際、多くの場合、ダークトーンやダルトーンといった暗い色調やくすんだ色調が多く使われます。
 
同じトーンが並ぶと、そこにある種のイメージが感じられるので、そのイメージ性に何となく意識が引き寄せられまとまった感覚を感じてしまうのでしょう。淡いトーンやグレイッシュなトーンも同様です。「トーンを揃える」ことは、一つの配色方法としてあげられるかもしれませんが、あくまでも、そこには同じイメージをもたらすことの方に意味あいがあるといえます。
 
もちろん、色あいはどうでもいいわけではないですが、さまざまな色あいを使ったとしてもバラバラにみえることなく、 ある程度まとまりをもたらすのも、このトーン統一がなす特徴でしょう。

  但し、彩度が高い色(色あいがあざやか)の場合は、そのまとまりがゆるやかになり、イメージよりも色あいの自己主張が強くなる場合があるので、そのあたりのバランスをとることが必要になってきます。彩度の高い色が数色になっても、そこに はあるイメージが生じるのですが、色数が多くなるにつれ視点があちこちに流れるため、配色として見た場合、全体的に集中しにくくなるのかもしれません。

(24) 配色のおもしろさ−4

 前回の続きになりますが、トーンが同じ場合、各色あいの明度や彩度も、おおよそ似通ったものに見えることが多いため、トーンを統一した時には
、調和された配色として見ることができるのでしょう。
  特に、明度がほぼ同じであると、多色使いの配色であっても浮かび上がる色がないせいか、落ち着いた感じに見えます。

  しかし、彩度が高い色の場合、同じトーンであっても色あいによって明度がかなり異なるので、多色使いにすると、どうしてもまとまりがなくなることがあります。その時は、高彩度の色だけでなく、トーンが少し異なっても似通った明度の色ばかりを集めると統一感が生まれます。そこには明度差による濃淡のリズムが生まれず、色あいのメロディのみが流れるので、かえって多色の色づかいの方が、華やかな中にあって派手にならない色模様となります。

 高彩度の色の場合は、それぞれの色あいの明度が低彩度の色と違って大きく異なります。あざやかさが共通している場合、すなわち彩度がほぼ同じであると、明度の異なることが大きく特徴づけられるからです。

  たとえば、v(ヴィヴィッド)トーンの場合、一目見てあざやかな色と感じますが、それぞれの明度が異なることについては、第一印象ではそれほど認識しません。それぞれのトーンがあらわす感覚は、その色のイメージと直結するため、この場合、明度差の感覚は後回しになってしまうのでしょう。

 色は三属性(色相・明度・彩度)によって表すことができますが、この三つの性格を私達が同じ程度に感じるとは限りません。むしろ、見た人が最も感じやすい色の性格を優先して感じるのが通常でしょう。
 ですから、各トーンは、各色相を見た時に感じやすいイメージをそれぞれまとめた、といった見方もできるかもしれません。

 よって、高彩度の色どうしの配色の際、前回述べた「トーンを同じくする」方法について気をつけなければならないといったのは、色の三属性の中で共通項は彩度のみとなるからです。

(25) 配色のおもしろさ−5

今回は、配色の際の色相と色相の組み合わせについて考えてみましょう。
 同じ色相を組み合わせる同系色の組み合わせについては、22回目でお話しましたので、異なった色相の組み合わせについて、述べたいと思います。

 はっきり言って、色相の組み合わせで、それほど良し悪しはないでしょう。もっと言うならば、色相の組み合わせを考えるだけでは美しい配色が生まれるとは限りません。
 むしろ、色相と色相の違いの大小が全体的なイメージに関係します。たとえば、「オレンジと青」の組み合わせと「青と青紫」の組み合わせを頭の中でおもいめぐらすと全く違った感覚をもつでしょう。どちらが調和されているかは、この色相間だけで語ることはできません。むしろ、その色相のどのくらいの明度や彩度を用いるかが配色美の決め手になるでしょう。

 但し、使われるトーンに、かなり影響はされると言えども、色相間の違いが大きくなると異質のメロディをかけあわせた雰囲気になるでしょうし、色相の違いが小さければ同質のメロディをかけあわせることになるでしょう。必ずしも、いずれかに分かれるものではないですが、この点に色相どうしの組み合わせから生じるイメージの違いといった特徴があらわれるのが要点だと思われます。

 いわゆる異質のメロディをかけあわせるとコントラストが生じ対照的な感じになるでしょうし、同質のメロディをかけあわせるとあっさりと落ち着いた雰囲気になるでしょう。人それぞれ好みもあるでしょうが、
自己演出に使う色使いとして参考にしたいものです。

 ただ、先程述べたように、トーンの使い方でこのイメージもある程度異なってきます。「オレンジと青」の色相どうしの組み合わせでも薄いトーンの色どうしを使った場合と、「青と青紫」の場合でも「紺と薄いパープル」の組み合わせでは、後者の方がリズム感がでてくることもあります。まして、組み合わせる色どうしの明度差が大きくなるにつれ、その効果はいっそう強まるでしょう。
 つまり、そうした点も考慮していくため、配色は色相とトーンを切り離してとらえることができず、両方の融合した状態を想像することがまず大切になってきます。

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